2010年3月24日水曜日

斉藤善久 ひらめきのマジック

2008 株式会社ボイジャー

1945年生まれ  (株)電通で広告・イベントなどを手がけた

発想法についての本は、いくらもあるが、こうすれば必ずいいアイデアが生まれるという方法はない。百人いれば百通りの発想の出し方がある。論理的に考えたからアイデアがでてくるというわけではない。
本書によれば、「アイデアは考えるものではなく、生まれてくるもの、与えられるもの、ひらめくもの」である。
というわけで、アイデアを出すヒントは、考えるテクニックにあるのではなく、自分の体質を「アイデア体質」にすることにある。
著者は、これを別の言葉で、「やわらか頭」を作っていくと表現している。
ふだんから自分の好きなアイデアを集めて整理しておくと、何かを発想しなければならないときに役に立つ。桜の木は、春にみごとな花を咲かせるために1年の残りを養分を蓄えるのに使っているようなものであるという。

「やわらか頭」をつくるためには、全身を使って感性をみがき、感動する体験を積み重ねることが効果的である。すぐれた芸術作品や音楽を鑑賞したり、京都や奈良に行ったり、自然のなかに身を置いたりする。あるいは、自分が居心地のいい場所を見つけるなど。

最後に、いいアイデアは、それを実行してみて、初めていのちを得ることになる。
なにもしなければ、だだそれだけでそのアイデアは終わりである。
たとえ失敗しても、その原因を知ることによって、また新たにたくさんのことを学ぶことができる。
著者は、ひらめいたことを大切にして律儀に取り組むことが、人生の自信につながると確信している。

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