2017年6月20日火曜日

「老い」の作法 渋谷昌三

2011 成美堂出版

無理をすることなく人生を楽しみ、自分にできることを積み重ねていく。それが、老いの作法である。
年を取ると、体力も衰え、弱っていくことはたしかである。
その一方では、経験を積み重ねて豊かになっていくという一面もある。
近頃では「熟年」という言葉があまり良い意味では使われないが、年々成熟していくということである。
それでも老化によって、能力が衰えていくことは認めざるを得ない。
そこで、老後をすごすためには、考え方を変えなければならない。
能力の衰えによって失われたものにこだわるのではなく、今できることから工夫して努力してみる。
そうしたことを通じて、失われたものを補っていくことによって、人生を豊かにしていく。
孔子は「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」と言ったという。
老後に能力が衰えても、それなりに何ができるか工夫することにより、人生を楽しみたいものである。