2010年4月26日月曜日

石井勝利 知らないと損! 経済ニュースがわかる本

2009 明日香出版社

円高と円安
今まで1ドル100円で交換されていたのが、90円で交換されるようになれば、円高といわれ、110円になれば円安といわれる。
3年前には、120円程度だったのに、最近は90円程度の相場が続いているので、かなりの「円高」になっている。円高になると、ドル建てで取引している輸出企業は、手取り額が減り、業績が悪くなる。
日本企業の業績悪化の原因は、アメリカ経済の後退と円高の影響が大きい。
円高の原因であるが、アメリカ経済の落ち込みが激しかったので、相対的に日本のほうがマシになったと言われていた。
しかし、日本の経済が好調とはいえない。円高の主な原因は、日本とアメリカとの金利差が縮小したことにあるらしい。
数年前は、金利の安い日本で円を借りて売り、金利の高いアメリカでドルを買って投資する「円キャリートレード」が行われていた。それが、金融危機以降は逆の流れに変わり、しかも日本とアメリカの金利は、ほぼ同じになった。
アメリカの金利も、とうぶん上がらないと見られている。
したがって円ドル相場も現在の水準が続くのではないだろうか。
日本企業は円高に対応するため、コストを削減しようとする。このため、雇用も給料も増えない。所得が増えないので、日本の景気も、そう簡単には良くならない。
世界の景気が回復するにつれて、日本経済も徐々に回復するのを待つしかない。

バイオエタノール
バイオエタノールとは、石油ではなく植物から作られる燃料である。
原料となる植物は成長の過程で光合成により大気中の二酸化炭素を吸収しているので、燃焼により二酸化炭素を放出しても、大気中の二酸化炭素の総量は変わらないとされている。
バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなどの穀物から作られる。
バイオ燃料の先進国はブラジルであるが、アメリカや日本でもバイオ燃料を導入することが目標になっている。
バイオエタノールの将来性に期待が集まる一方、バイオエタノールの生産が、逆に、環境問題を発生させ、あるいは農産物の価格の高騰をまねくのではないかと懸念されている。
原油価格が高騰したとき、代替燃料としてのバイオエタノールが注目を集めた。
小麦や大豆を生産していた農家が、トウモロコシへの転作を行うのではと、穀物や飼料の価格が高騰した。
日本は、小麦、トウモロコシ、大豆のほぼ全量を輸入に頼っている。このため、これらの価格上昇は加工食品価格を上昇させ、飼料価格の上昇によって、牛肉や豚肉の価格も上昇する。
ここでは、円高は、輸入価格の高騰を緩和してくれる。

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