2012年4月17日火曜日

野口悠紀雄 実力大競争時代の「超」勉強法

2011 株式会社幻冬社

1940年生まれ

著者は、もう70歳を超えており、「超」という言葉が流行ったのも、何年か前のことであった。
企業であれば、とっくに、引退している年齢である。それが、今も第一線で活躍できるのは、やはり「超」勉強法などの有効性を自ら実証していることになるのだろう。ただ、勉強は成功の必要条件であるが、十分条件ではない。だから、勉強したからと言って成功するとは限らない。しかし、勉強しないと成功しない。それにしても、年齢によって「定年」を定めて、歳をとると能力までなくなってしまうというような考えが横行しているのは困ったことである。
本書によると、大学生の就職内定率が最低になったのは、単に景気が悪いだけのためではなく、日本の企業が外国人学生に目を向け始めたためも大きいという。たとえば、パナソニックは2011年度新卒採用の8割は外国人になった。東芝やソニーも外国人の採用を増やし、野村証券もリーマンブラザーズの一部門を買収したため、外国人社員が半数近くにまで増えた。もっとも、これは、企業全体で、海外で外国人を採用する「グローバル採用枠」も含めての話である。
これから成長する市場は、日本や先進国ではなく、新興国とりわけ中国であると言われていて、日本企業の海外での投資が増えている。人材面でも、設備と同じ動きが生じており、新興国の優秀な留学生を採用しようとする企業が増えている。
それでなくとも、採用条件に「英語と中国語が堪能な方」と書いてあれば、日本人はたいてい尻込みしてしまうだろう。
私は、日本の企業は外国人の採用に積極的でなく、また、たとえ外国人が入社しても差別されるのではないかと思っていたが、事態は変化しているようである。
「ゴーイング・コンサーン」としての企業は、日本が衰退したとしても、生き残らなければならない。とすれば、こうした動きがおこるのも無理はない。

0 件のコメント:

コメントを投稿