2012年4月5日木曜日

野村総合研究所・電通 スマートマネー経済圏 新版

2011 日経BP社

スマートマネーとは、現金以外で、一般に「電子マネー」と呼ばれている決済方法である。
景気は低迷しているが、電子マネーの利用は増え続けている。JR系のSuica、ICOCA、私鉄によるPASMO、流通系のnanaco、WAON、および楽天のEdyなどがあり、リアル店舗での買い物や、インターネットによる決済に利用されている。電子マネーやクレジットカードを利用すると、たいてい、顧客にポイントが付与され、ポイントの魅力が利用をさらに促進する。利用情報は分析され、新しいマーケティング手法が次々と編み出されている。
電子マネーを支える技術が、非接触ICカードという技術である。カードだけでなく非接触ICチップを搭載した「おさいふケータイ」を使えば、複数の電子マネーを1台のケータイで利用できる。
電子マネー相互の利用も進んでおり、Suicaでセブン・イレブンの買い物をすることもできる。
このようなスマートマネーは、日本の消費市場における数少ない成長領域であり、変化に気づかず対応が遅れている企業は、いずれ消費者から見放されてしまうかもしれない。
法制度の整備も進んでおり、2010年には「資金決済に関する法律(資金決済法)」が施行され、電子マネーに関連する事業者が送金サービスを始めることもできるようになった。
資金決済法によると、電子マネーの場合は、価値の半分は取り戻せるように保護されている。さらに送金サービスでは託した金額のすべてが返ってくるように規制されている。いっぽう、ポイントは電子マネーと同じように使われれているが、事業者が倒産すると、その価値は消えてしまう。
スマートマネーは、世界中で日本が最も進んでおり、日本発の新たな社会インフラとして輸出できるようになるかもしれない。

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