2012年10月20日土曜日

三浦展 シンプル族の反乱


2009 KKベストセラーズ

最近の若い人の人気ブランドは、ユニクロと無印良品であるという。
世の中、不況のせいもないとはいえないが、「シンプル」が好まれている。
「反乱」とは、おおげさだが、三越や高島屋より、ユニクロや無印良品のほうが好きというのは、ある意味で反乱と言えないこともない。
消費者が生活防衛に走り、節約や「エコ」志向が高まり、「簡素化」が進んでいる。
こうしたなかで、ユニクロや無印良品のようなシンプルな衣食住を提案するブランドが売り上げを伸ばしている。
「シンプル族」は、単にお金がないから質素な倹約生活をしているのではなく、もっと大きな変化が底にある。
ユニクロや無印良品で売っているものがすべていいものだというわけではないが、エコ志向とシンプルライフ志向という価値観の大きな転換を、それらの企業は取り入れている。
こうした変化を理解しない企業は、これからは生き残れないだろうというのが著者の主張である。

ここ20年ほどのあいだに、ユニクロや無印良品だけでなく、ソフトバンクや楽天のような企業が大きくなった。
年寄りにはなじみのない「グリー」や「ディー・エヌ・エー」といった企業が業績を伸ばし、ディー・エヌ・エーは横浜のプロ野球球団を買収したので話題になった。
あまり変化がないようにも見える日本の企業だが、いつのまにか、変わるところは変わっている。

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