2013年8月17日土曜日

斎藤孝 15分あれば喫茶店に入りなさい

2010 株式会社幻冬舎

大学教授の著者は、立派な書斎も大学の研究室もあるのだが、書斎だと、デスクの前に座っても、集中できなかったり、やりたくないという気持ちになってしまう。
喫茶店だと、人がいて、物音がするが、そのほうが、著者にとっては集中力が高まり、仕事がはかどる。
多数の本を出しているが、それらのアイデアを出すのも、原稿を書くのも、喫茶店での仕事である。
著者の言う喫茶店とは、昔からある喫茶店というよりは、ドトールやスターバックスのような「カフェ」のことらしい。
カフェは、どこでも同じような内装であるが、場所によって、また時間帯によって、まるで雰囲気が違う。客層や混み方によっては、一人で本を読んだり勉強したりなどとてもできないこともある。
場所によって、空いている時間混んでいる時間は違うので、自分の行きつけのカフェを何軒か持っておくのが良い。
カフェといっても、ある程度慣れないと、落ち着かない。
最近は、喫茶店またはカフェで仕事や勉強をしている人が目立つ。
カフェの側でも、以前よりは一人掛けの椅子を多数用意して、居心地を良くしている。
ここで、カフェの経営者の立場からは、お客には来てもらいたいが、あまり長く居座られても困る。
参考書を広げて、長時間勉強されても困るので、照明を薄暗くし、本など読んでいたら目が疲れてしまう店もある。
長時間の利用を控えるよう促す注意書きも目に付くようになった。
外出先でちょっとした作業や勉強をしていた人は肩身の狭い思いをしなければならなくなっている。
それでは、勉強するには、カフェよりも図書館のほうがいいのではないか。
ところが、著者によると、図書館には「ライブ感」が、欠けている。
図書館には、独特の空気があり、それは、どちらかと言えば、暗く、重い。
図書館は満席で、なかには寝ている人もいるが、カフェでは寝ている人は見当たらない。
家にこもっているよりも、開放的なカフェで仕事をしていれば、すこしの積み重ねが相当な山になる。
カフェでは、ある程度の時間を過ごすことはできるが、あまり長時間はいられないから、かえって仕事が効率的にできる。
周りに座っている人も、何かやっているから刺激になり、何かせずにはいられない。
カフェでは、他人の会話が耳に入ってくることがあり、時には人生の勉強になることがある。
そこに集まるさまざまに人たちの会話から、彼らの人生や生活が垣間見えることもある。
才能のある小説家なら、カフェで聞きかじった会話からでも、おもしろい小説が書けるのだろう。
カフェは、自由に出入りができ、リラックスすることができ、ときには集中して仕事や勉強ができる。
カフェを利用するテクニックを身につければ、15分の隙間時間でも有効に活用できるという。

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