2012年1月6日金曜日

高橋暁子 電子書籍の可能性と課題がよ~くわかる本

2010 株式会社秀和システム

最近、電子書籍が話題になっている。
従来の書店経営には一般の小売業とは違う特徴がある。
委託販売制度による委託販売、再販制度による定価販売の二つである。
委託販売制度とは、書店はトーハンや日販のような取次会社を通じて出版社から書籍を仕入れる。
このさい、書店は書籍を買うのではなく、預かることになっている。
店頭に並べて売れなければ、出版社に返品すればいいので、書店には売れ残りのリスクはない。
再販制度とは、出版社が書籍や雑誌の定価を決定し、書店では定価で販売できる制度で、独占禁止法の例外として認められている。
このような制度があるおかげで、書店は他店との値引き競争をせずにすみ、読者は、どんな地方の書店であっても都市部と同じ価格で本が購入できるメリットがあるとされてきた。
電子書籍の登場によって、このような書籍販売制度は大きく変わらざるをえなくなっている。
しかし、電子書籍の普及には、まだ課題が多い。
電子書籍端末を持っている人もそれほど多くはない。
アマゾンとかアップルとかの電子書籍リーダーごとの互換性がないことは問題である。
電子書籍という名前自体もまだ定着したとはいえず、市場規模もそれほど大きくなっていない。
様々な課題をかかえてはいるが、電子書籍の可能性はきわめて大きいということができる。

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