2009年9月28日月曜日

藤原直哉 アメリカ発 2009年 世界大恐慌

2008.11 あ・うん

1960年生まれ 経済アナリスト

「世界同時バブル崩壊!」「繰り返す世界同時株大暴落」などの著書がある。

2008年に発生したアメリカ発の金融恐慌は、2009年には世界大恐慌となって、世界経済は崩壊すると予想している。歴史の中で世界の覇権を握ってきた国はたくさんあるが、今では、どの国も小さな国になっている。かってどのような強国もかならず崩壊したようにアメリカも同様の運命にある。アメリカが世界を動かしてきた「金融」と「軍事力」という二本の腕が消滅しつつある。
著者によれば、もうすぐつぶれそうな国がアメリカ以外に二つある、イスラエル、中国である。イスラエルはイスラム勢力に包囲されており、絶えず紛争が絶えない。もし、戦争になれば、あっという間に陥落してしまう。
中国は、共産党が独裁している国であるが、チベットや新疆ウイグルでの紛争にみられるように、さまざまな民族や勢力が手綱を緩めるとどんどん活動しはじめる。「市場主義を取り入れた共産主義」で13億の国民をまとめていこうというのは無理な話だという。
日本にとっても、アメリカの崩壊は金融経済に直接の影響を与え、イスラエルの崩壊は、中東の石油利権や供給に影響し、中国の動乱は、経済的、政治的、軍事的に不安定要素となる。このため、日本でも大不況と大失業の時代が訪れる。

それでは、このような大崩壊の時代に、どうしたらサバイバルできるのだろうか。

「この夜道をどういくか、先が見えない世の中をどう切り開いていくか、行動をはじめるためには、まずカンで動きはじめます。そして、動いてみてやっぱり違っていた、予定とは違うな、と感じた、そういう時にすぐに反省することです。」(p166)

「今、激動期だからといって恐がっていては絶対にいけません。壊れる物はいつかは壊れるのですから、多少、壊れることも覚悟の上で動くことが重要な時期です。よく見て、打ってでるところを見極める、それが至上課題です。」(p170)

著者は、このサバイバル時代を生き抜くために歴史に手本を見いだせるという。
たとえば、明治維新の前後五年間、昭和20年の終戦から前後五年間、もっと遡ると戦国時代が参考になるという。
「今起こっているとてつもない激動は、まさに、日本を再生させるための豊かな能力を持った人材、新時代のリーダーとヨコ型ネットワークを育て構築するためのチャンスといえます。
この一年間の荒波をサバイバルした人材やネットワークこそが、新しい時代を担っていく『質』と『低エネルギー』を備え、二十一世紀の日本再生のビジョンを見出すことができるのです。」(p228)と、前向きなメッセージで締めくくっている。

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