2011年6月17日金曜日

藤原正彦 日本人の矜持 九人との対話

2007 株式会社新潮社

曽野綾子との対話より

曽野 それにしても、こうした日本の伝統を破壊し、戦後教育をここまでダメにした責任は誰にあるのか。戦後教育における日教組というのは、大東亜戦争における軍部と同じくらい罪が重いと思いますね。
藤原 私は、日本の戦後教育は米ソ、すなわちGHQと日教組という二つの勢力によって破壊されたと考えています。悪平等主義教育を主張した日教組の背後には、モスクワのコミンテルンがあった。そして、アメリカ主導のGHQの最大の目的は、日本が二度と自分たちに歯向かわないようにすることですから、そのために『日本の戦前は暗黒だった』と決め付け、文化や伝統を否定し、日本人の日本人たる根幹を破壊しようとしたのです。そのために押し付けたのが、『戦後民主主義教育』にほかなりません。敗戦直後、日本の国柄の破壊という点で、米ソの思惑は完全に合致してしまったわけですね。一国を滅ぼすのに武力は要らない。教育さえ破壊すれば、熟した柿が落ちるように自然に滅んでくれる。
それが今の日本の惨状だと思います。」(p.76)


「戦後民主主義」は、「焼け跡民主主義」とも言われていて、空襲で焼け野原になった跡に花開いた民主主義である。
民主主義で皆が平等だと、日本人が頑張ってきたのも、戦後の復興や経済成長の要因であろう。
しかし、「戦後民主主義」で育った「団塊の世代」は、もはや老年期にさしかかっているのに、これといって誇れるものもない。このところ、15年以上にわたって、何か世の中が変だという「空気」もある。
その理由を、著者は、GHQとか日教組による戦後教育だと言う。
かなり感情的な意見ではあるが、いまでは支持する人もいるらしい。

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