2012年11月19日月曜日

繁桝算男 後悔しない意思決定


2007 株式会社岩波書店

意思決定をする際にさんざん悩み、しかも、決定した後で悔やむ人は多い。本書は、そのような人のために書かれた。
本書の立場は、「主観的期待効用モデル」に立脚している。
それによると、どのような意思決定においても、主観的に算定した「期待効用」を最大にするような選択肢を選べということになる。
「主観的期待効用」という言葉は、統計学で用いられている専門用語であるが、意思決定に際しては、最後には二つの選択肢のうちから一つを選ぶことに行き着く。
どちらを選ぶかは自分で考え、良いことが起こる可能性が高いほうを選べということである。
自分で納得して意思決定したのであれば、たとえ失敗したとしても、後悔はしないはずである。
織田信長は、桶狭間の戦いで、今川義元の首をとって大勝利を納めた。このときの信長の意思決定を考えよう。
信長は今川の大軍に対して積極的な戦いをする選択肢とともに、城に立てこもって戦いを避けるという選択肢もあった。
このとき、信長は、少数の軍勢で、今川の大軍を攻撃するほうを選んだ。
このような信長の意思決定は、信長の価値観からすれば、迷う必要のない決定であった。
信長は、「主観的期待効用」の、より大きな選択肢を選んだのである。
織田信長のような大胆な人物は、桶狭間の戦いのようなすばらしい成果を勝ち取ることができる。
しかし、おなじ大胆さが、少数の軍勢だけで本能寺に滞在して、明智光秀に攻撃される隙をつくることになった。
それでも、織田信長のような人物は、自分できめた行動については、けっして後悔はしないのであろう。

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