2011年5月27日金曜日

荘司雅彦 最短で結果が出る超勉強法

2007 株式会社講談社

1958年生まれ

著者は、東京大学法学部を卒業後、日本長期信用銀行に入行、二十代後半に一度転職した後、司法試験の勉強を始め、独自の勉強法を考案して、当時としては最短で司法試験に合格した。
抜群の成果を上げてきた勉強法を公開したのが本書であるという。
今では、一生懸命勉強して、いわゆる一流大学を卒業すれば一生安泰という時代ではなくなっている。著者の知っている範囲でも、東大を出ているのに、かなり厳しい経済状況にいる人や、定職につけない人がかなりいる。
弁護士も、もはや肩書きだけで安泰というわけではなくなっている。
学歴や資格を持っているだけでは、極端な話、生きていくことさえ困難な時代になったと考えるべきである。
ただ、学歴や資格は、持っていないよりも、持っていたほうがマシである。
学歴や資格がないと、せっかくのチャンスを逃してしまうことも少なくない。
だから、人生の可能性を高めるためには、勉強に自己投資して、できることなら学歴や資格を持っていたほうがいいという。

著者の言い分が正しいとすると、今では東大を出ていても安心できないらしい。
日本の企業では、学校で何を勉強してきたかとは関係なく、企業では新卒者を独自に育成して、定年まで雇用してきた。
中途採用はしない村社会なので、定年前に辞めると裏切り者扱いにされる。
このような企業の雇用慣行を考えると、たとえ、東大を出ていても、転職は難しく、条件も不利になる。

ちかごろでは、新卒の就職も厳しくなっているらしい。
法学部のばあい、さらに、法科大学院へ進まなければ、司法試験に合格できず、それも、全員が合格できるわけではない。
法科大学院を出た学生を採用する企業は少ないから、学歴はあるのに就職できない若者をつくりだしているようなものである。
昔は、大学が主で大学院まで行く人はごくわずかだったが、今では、大学院がやたらと増えている。
大学院まで出て就職先が見つからないのが大きな社会問題になっている。

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