2009年12月3日木曜日

竹中平蔵・田原総一朗 ズバリ!先読み日本経済

改革停止、日本が危ない!

2008.11 株式会社アスコム


竹中平蔵は、2001年から2006年まで、小泉内閣で、経済・財政・金融・郵政民営化を取り仕切った。
いま、「小泉・竹中構造改革」は、日本中から非難・批判されているが、田原総一朗は、そんな竹中に、強い関心を抱いた。
竹中によれば、大臣になった瞬間から「反・竹中」になった人が多い。批判には三種類あり、第一は、とにかく反対の立場でものを言う。第二は、”永遠の真理”を言う。第三は、批判する相手を”市場原理主義者”などと一方的に決めつけて問答無用にする。
そして、いずれの批判も、具体的な「対案」がなくダメだと言うだけである。
郵政民営化に反対する「抵抗勢力」と、学者が勝手なことをしているという嫉妬心とがそうさせたのかもしれない。

田原は、講演などで、あちこち行っているが、いまの日本は、みんなが将来への不安でいっぱいである。不安の原因は、経済的な問題をはじめとして、いくらでも山積みしている。
竹中は、たとえば、中小企業が倒産したのは、小泉・竹中改革のせいだから、国が責任を持って救えというような議論はおかしいと言う。世界中の国が、きびしい競争にされされているなか、倒産する中小企業もある。
グローバリゼーションの進展によって、企業が国外に出て行って、地方経済が衰退した。また、世界的な競争のため、格差が拡大した。それを、たまたま同じ時期に起きた「小泉・竹中構造改革」のせいにしているのである。
それはそうかもしれない。では、小泉・竹中改革とはどんなものだったのか。
小泉は、「政府が財政拡大するだけでは、日本経済は絶対にダメなんだ」という信念を持っており、竹中と一致する。
小泉内閣で竹中が行った主な仕事は、銀行の不良債権処理と郵政民営化である。
構造改革とか規制緩和とかは、それ自体は、間違った考えでもないのに、国民の不安と不満のはけ口にされたのだろうか。
むしろ、問題は、日本ではアメリカのマイクロソフトとかグーグルのようなベンチャー企業が出てこなかったように、活力がなく、何をやっても不安という「中年症候群」が、日本を覆っていることにあるらしい。
それでは、どうしたらよいのだろうか。
「何でも政府頼み」から脱却して、日本の持つ技術力、人的資源などの底力、潜在力をうまく引き出せれば、日本の成長率を確実に高めることができるというのが竹中の考えである。

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