2004 株式会社日本実業出版社
1955年生まれ
「分類するという行為は、人間が知的活動をするときに必要とされる、最も基本的な能力である。
どんな分野でも、プロフェッショナルとは、素人が見分けられないようなわずかな違いを見抜く能力を持っている者をさす。」(p16)
分類することは、考えることと同じである。私たちは、何かを考えるとき無意識のうちに分類しながら考えている。 だが、何かのプロを目指すなら、意識的に分類することが必要だ。
分類の最も顕著な効用のひとつは、複雑で乱雑な物事に秩序を与え、単純化することだ。 百貨店やスーパーで多種類の商品がなんの秩序もなく、ただ並んでいるだけだとしたら、どれだけ混乱をまねくことだろう。
分類法は、一通りではなく基準を見直すことによって新しい発見をもたらすことができる。
プロの営業マンは、人を見分け、人を分類する達人であり、自身も場合により服装、表情、言葉づかいを使い分けるのがうまい。
いくつもの仕事を抱えているとき、仕事を重要度、緊急度で分類することで頭が整理され、自分が最初にすべき仕事が見えてくる。
独自の分類が独創性を生むことがある。音楽業界では、新しい分類を生み出すことで市場が活性化される。
経験や知識を積み重ねることにより、分類作業を早く、適切に行うことができるようになり、判断力がきたえられる。
「分類法」のなかにもいろいろな分類がある。最初に似たもの同士を小さくまとめ、それをさらに合わせて大きな分類をつくる「上昇的 分類」と、最初に大きく分けてから細かく分類する「下降的分類」がある。また、「階層構造」を持つ分類様式と「多次元構造」を持つ分類様式にわけることもできる。
分類には最低限のルールがある。つまり、①必ずどこかに分類する②一つの分類項目だけに入れることである。
分類は、何かのための手段であって、目的ではない。分類の目的を忘れないためにも、必要以上に複雑化してはならない。
情報を収集して分類し、分類したものを並べ替えることによって新しいアイデアを導こうとする発想法がKJ法である。
分類できないものに出会ったときには、分類することがムダと考えるのではなく、 従来の分類法に当てはまらない新しいものが生まれているか、 あるいは分類の枠組みが間違っている可能性があると考えれば、何かのチャンスにつながるかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿