2003 サンマーク出版
1940年生まれ
著者は、大阪市立大学の学生運動で勇名をとどろかせた。
その後、妻子を養う必要に迫られ、予備校講師となるが、たちまち人気講師となる。
そのカリスマ性から、全国に教え子を多数輩出している。
著者は、夜は9時に寝て、夜中の1時に起きる。それから朝まで仕事をしたり研究したりするという生活を送っている。そのかわり、ちょっとしたスキマ時間を利用して、ちょこちょこ頭の休み時間を取るように心がけている。
脳に気持ちよく働いてもらいたいなら、5分とか10分の睡眠を見つけることである。
起きたまま、脳をリラックスさせることも大切で、その場所にいるときは絶対になにも考えないという場所を見つけることも必要である。
1969年、全共闘運動はそろそろ終焉を迎えようとしていた。
30歳近くになる大学院卒の全共闘リーダーなど雇ってくれる会社などあるはずもなかった。
著者は、先輩のコネで、予備校の英語講師の話にとびついた。
内心、自信はなかったが、「だいじょうぶです。私の得意分野です」と胸を張ってみせたものである。
このときハッタリをきかせたおかげて、ピンチをチャンスに変えることができたのである。
逆にピンチのときに弱気になってしまえば、チャンスと思えずに見過ごしてしまう。
こうして著者の予備校講師としての生活が始まった。
予備校の英語講師でメシを食っていくからには、その役柄を徹底的に究めていこう、その役をみごとに演じきってみようと、真剣に取り組んだ。
その甲斐あって、予備校の英語講師という役は、当たり役で、いまも演じつづけている。
人には本来、さまざまな役柄がある。それは役割という言葉にも置き換えられる。
自分の役割はこれだと、一つの役柄に限定してしまうのはよくない。
その思いこみが、本来あったはずの多くの可能性を奪うことになってしまう。
多くの役を演じることで、人間として大きな幅ができてくる。
「自己実現」とは、「他人にはない固有の自己を実現すること」ではなく、真の意味での自己実現は、自己表現である。
自己表現だから「演技」も必要になってくる。
人生を振り返ってみると、じつにさまざまな役を演じてきたことに気がつく。
これからも、演じたい役を演じ続けるのもいいだろうし、思いがけない役がまわってきたときにも、おじけることなく、楽しく、真剣に演じてみるつもりである。
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