2013年4月18日木曜日
梅田望夫 シリコンバレーは私をどう変えたか
2001 株式会社新潮社
シリコンバレーの野心あふれる若者たちが考えることは、あんがい表面的である。
20代後半から始めて、30代から40代まで働き、50代前半でアーリーリタイアメントを目指すのだという。
給料をもらうだけでは困難であるが、ベンチャー企業を立ち上げて企業価値を高めてから企業を売り払うとか、ストックオプションを行使して巨額の金を得るのだという。
資産を活用すれば、80歳くらいで死ぬまで働かなくともいいことになる。
人生最大の目的は、金を得ることで、あとは楽して暮らそうということなのだろうか。
それとも、若いうちは、60歳の自分は考えることができず、目先の競争にしか気が回らないのだろうか。
60歳にもならずに亡くなったスティーヴ・ジョブズが、若者たちに「おろかであれ、ハングリーであれ」と呼びかけていた。いったいどういう意味なのか。若者にはわかる言葉でも、年寄にはわかりにくい。
いっぽう、日本では、政府が企業に65歳まで定年を延長するよう要請している。
終身雇用なら、なまじ有能であるより、協調性のあることを示すのがなによりである。
同じ会社に定年まで居るのなら、誰にでも気をくばって、悪い噂が立たないようにするのが第一で、やる気をみせて自己主張をしたり、正義感を発揮して上司と争っては、出世もできず、会社にいる間は悪い評判がつきまとう。
個人中心のアメリカ流のやり方は、イノベーションは生まれやすいが、勝ち組と負け組との格差は非常に大きくなる。
いっぽう、組織本位の日本流のやり方では、新しいことはなかなかできにくい。
アメリカ流に事業に成功して50歳でリタイアしても、それこそ毎日が日曜日では退屈だろうし、かと言って、日本流に65歳まで同じ会社に勤めるのでは、大部分の社員に不満とストレスが溜まることになる。
どちらにしても、今までは65歳以降のことは、あまり考えに入れられていなかった。
しかし、これからは65歳以上の高齢者がさらに増えていくという。
「団塊の世代」が、良くも悪くも再び注目を浴びることになる。
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