2012年3月15日木曜日

成毛真 新世代ビジネス、知っておきたい60ぐらいの心得

2000 株式会社文芸春秋

1955年生まれ

著者は、2000年5月、マイクロソフト日本法人の社長を辞し、投資コンサルティング会社を設立した。
著者が自分で会社をはじめて気がついたことは、会社はレンタルでもできるということである。
事務所、電話、ファックス、コピー機、パソコン、プリンタはOAレンタルで揃い、受付や電話取次のスタッフは人材派遣会社に電話を入れればすむ。経理や法務の専門スタッフも、人材派遣会社で揃えることができるが、そういう業務を一括して請け負ってくれる会社もある。最近、会社の業務を代行する業務代行業者が急激に増えていて、その業績も伸びている。たとえば、オフィス用品デリバリーのアスクルは、オフィスで使う事務用品から家具、飲み物に至るまで何でも届けてくれ、企業の庶務部的な役割を担うまでに成長した。
会社に苦情があって電話をすると、実際に応対しているのはユーザーサポート専門の代行会社の社員であることが多い。こういう会社では、専門のスタッフを揃え、サポート内容やトラブル・クレームの類をデータ化して日々分析しているので、きめ細かなユーザーサポートが可能になっている。
情報システム分野のアウトソーシング事業として最近台頭してきたのが、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)やインターネット・データセンターである。こういうものを利用すれば、会社は独自の情報システムをつくることも、運用やメンテナンスもすることなく、利用料金を払って利用するだけになる。
これから会社をはじめるなら、極端な話、何も買わず誰も雇わずほとんど何一つ所有しないままで会社を動かすことも可能である。
そういうわけで、著者が、まだ会社ができていないベンチャー企業家へ出資するかどうかの基準は、アイデアと人物である。
事業アイデアが独創的で、しかもリアリティがあるかどうかを重視している。それさえ優れていれば、あとは営業力がなければ営業力のある人物を探してきてあげるし、お金がなければお金を出してあげることができる。
アイディアと人物さえ良ければ、お金だけでなく、ありとあらゆるものを提供するのが、本当のベンチャーキャピタルというものである。

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